攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 何度も同じことが起きれば、噂が巡る。
 私の治療を担当する大人はやがて、たとえ一生消えない傷が全身刻み込まれていたとしても、「問題ない」と診断するようになってしまった。

 そんなことを何度もされたら、信頼なんてできるはずがない。
 フェドクスもこちらの事情を知っているため、2人がどれほど診察を受けるべきだと主張しても止めてくれるはずだ。

「あのな……。そんなこと言ってる場合じゃ、ねぇだろ?」
「どうしても医者に見せろと言うのなら、そいつにやらせればいい」

 案の定、不満を露わにするガザンをフェドクスが止めてくれた。
 しかし、その提案した内容が問題だった。

「僕?」
「魔力の流れで、ある程度はわかるだろう」
「まぁ、ね……」

 ルドルフはどこか含みのある視線を、こちらへ向けてくる。
 恐らく、魔王の力を奪い取ったことで、私の体内に流れる魔力に変化が生じているのだろう。
 ここで言葉を濁すあたりが、彼の優しさだ。
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