攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「フェドクスが、気にしているので……」
「普通の医者には、わからないと思うよ。魔術に、秀でていないと……」
「魔王の、残滓でしょうか」
「うんん。そのもの、だよね」

 ルドルフは、確信を持っているようだ。
 ここで「違いますよ」と伝えたところで、言い逃れはできそうにない。

 ――みんなの前で暴露されるくらいなら、この場だけで収めたい。
 そのためには、事実を認めるしかなかった。

 私はゆっくりと、重たい唇を開いた。

「もし、そうだと言ったら……。殿下は、どうなさいますか」

 恐る恐る殿下の顔色を確認するが、こちらが怯える必要はないようだ。
 彼はいつも通りの作り笑顔を浮かべると、軽い口調で告げた。

「どうもしないよ。僕は、君を守る」
「どうして、ですか」
「決めたから。何が起きても、味方でいると」

 どうやら、こちらが口止めをする必要はなかったようだ。
 ルドルフは笑みを深めると、私を安心させる言葉を発してくれた。
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