攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「安心して。エミリエの秘密は、僕たちが墓まで持っていくよ」
「殿下……」

 それがありがたいと感じながらも、心のどこかで恐怖を拭い去れないのは、そうやっていい人の仮面を被ってこちらに言い寄る人間は、みんな私を利用しようと目論む悪人だったからだ。

 肉親、育ての親、幼馴染のご両親。司祭、マリラさん、顔も覚えていない人々――。

 これまで例外は、たった1人だけだった。

「申し訳、ありません」
「謝らないで。それと……」

 ルドルフは、攻略対象の1人だ。
 彼らなら、きっと大丈夫。
 そう、信じているけれど――。
 こうして絶対的な信頼を寄せられるのは、私がじこファンをプレイした記憶を保持しているからだった。

 転生していなければきっと、こんなふうには思えなかったはずだ。
 そういう意味での謝罪だったのだが、こちらの事情を知らぬ殿下はそれをうまく読み取れない。

「僕たちの知らないところで、魔王をどうにかするために命を絶とうなんて思わないでね」

 思いがけぬ指摘を受け、目を丸くする羽目になった。
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