攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 私には、前科がある。
 他人が傷つくくらいならば、自分が犠牲になればいいと考えるタイプだ。
 しかし、やっとの思いで生存ルートに辿り着いた以上――。
 できる限り、バッドエンドだけは回避したかった。

「君と過ごした時間は短いけど、考えそうなことはよくわかる。エミリエは、ガザンと似ているから」

 だから、今回ばかりはルドルフの推理は大外れなのだが……。
 ニコニコと満面の笑みを浮かべている彼の姿を見ていたら、いちいち正すことすらも面倒になってくる。

「一緒に、君の中から魔王の力を追い出す作戦を考えよう」
「ありがとう、ございます……」

 お礼を言うだけに止め、会話を終える。

 それから、私たちは時間の許す限り、たくさんの話をした。
 ああでもないこうでもないと作戦を練るのは、意外と楽しい。

 けれど……。
 彼と会話を弾ませるたびに、じこファンの主人公がチラついた。

 本来、攻略対象たちと仲良くなるのは、ヒロインだ。

 ――魔王討伐を果たした以上、そう遠くない未来に彼女が現れ、原作の物語が始まる。
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