攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「ベッドから起き上がりたい時は、俺を呼べと言っただろう……!」
「殿下に、確かめたいことがあったの」
「俺には、聞かれたくない話か」
「うんん。そうじゃ、ないんだけど……」

 幼馴染へ正直に伝えてもいいのだろうかと迷っていると、ガザンがベランダから姿を見せた。
 三英雄が、全員揃った瞬間だ。
 辺境伯は普段通りの明るい表情とともに、声をかけてきた。

「こっち、来いよ。星、綺麗だぜ!」

 隣の部屋へ移動するために進むべき廊下は前方、ベランダは後方にある。
 殿下の肩を借りてもう一度あちらの方向に行くのは面倒だと思っていたら、フェドクスの手が伸びてきた。
 抱き上げて移動すれば、誰にも文句を言われることなく堂々と、私に触れ合えると考えたのだろう。

「いいよ。寒いし……」
「何、遠慮してんだよ。オレたちがこうやって一緒にいられる時間は、もうすぐ終わりなんだぜ?」
「見て、エミリエ。流星群だよ。お願いごとはしなきゃ、損じゃないかな?」
「行こう」

 3人がかりで説得されては、どうしようもない。
 私はなすすべもなく幼馴染に抱き上げられ、三英雄とともにベランダへと移動した。
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