攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――もう……。
 首を切られても文句を言えない状況だって、わかってるのかな……?

 私はなんとも言えない気持ちでいっぱいになりながら、フェドクスの胸元にしがみついた。

「聖騎士フェドクス。貴殿は平民でありながら、余の息子と辺境伯らと肩を並べて勝利を収めた。この功績を讃え、英雄伯と、家名を与えよう」
「はぁ……」
「余の国を明るく照らす、光となれ。フェドクス・ブライトよ」

 陛下は勲章を与えるのに邪魔な私をいないものとして扱い、じこファンで描写された通りに幼馴染へ爵位と家名を授けた。

 ――よかった。

 これでもう、彼が平民と馬鹿にされることはない。

 地位や名誉に一切興味のない本人が、どうでもよさそうに気の抜けた返事をしていたのは気がかりだったが――それは謁見が終わったあとに、苦言を呈すればいいだけの話だ。

「これより、そなたらはリジェンタス王国の三英雄だ!」

 陛下が高らかに宣言する声に合わせて、謁見の間に控えていた王立騎士団の面々がパチパチと手を合わせて拍手し、彼らの勝利をたたえる。
 原作ではここで描写が終わるはずだったが、話はまだまだ終わりそうにない。
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