攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「私の左目が無駄にならなくて、本当によかったです」
「なんなの、それ……」
「殿下が気に病む必要など、ありません。どうぞ、今まで通りお過ごしください」
たった一度、傷を肩代わりしたくらいで、好感度が上がるはずがない。
私のやることなすことに対して激怒していたのだって、今は混乱しているだけだ。
きっと、そう遠くない未来に通常運転に戻る。
これまで通り、憎しみの籠もった視線をこちらへ向けてくるはずだ。
そう、思っていたのに――。
殿下は私から手を離すと、瞳をうるませて涙を堪える。
その情けない姿を見られないようにするためだろうか?
スクリと俊敏な動きで立ち上がって背を向ける。
「そんなの、できるわけがないだろ……」
悔しげにそう呟いたあと、部屋を出て行ってしまった。
――まさか、こんなに早くデレるとは思いもしなかった。
まぁ、悪くはない。
むしろ、いい傾向だ。
左目を犠牲にして、彼を救った甲斐があったというもの……。
私は1人になったのをいいことに、まだルドルフと繋いだぬくもりの感覚が残る右手を、ひらひらと目の前で揺らした。
「なんなの、それ……」
「殿下が気に病む必要など、ありません。どうぞ、今まで通りお過ごしください」
たった一度、傷を肩代わりしたくらいで、好感度が上がるはずがない。
私のやることなすことに対して激怒していたのだって、今は混乱しているだけだ。
きっと、そう遠くない未来に通常運転に戻る。
これまで通り、憎しみの籠もった視線をこちらへ向けてくるはずだ。
そう、思っていたのに――。
殿下は私から手を離すと、瞳をうるませて涙を堪える。
その情けない姿を見られないようにするためだろうか?
スクリと俊敏な動きで立ち上がって背を向ける。
「そんなの、できるわけがないだろ……」
悔しげにそう呟いたあと、部屋を出て行ってしまった。
――まさか、こんなに早くデレるとは思いもしなかった。
まぁ、悪くはない。
むしろ、いい傾向だ。
左目を犠牲にして、彼を救った甲斐があったというもの……。
私は1人になったのをいいことに、まだルドルフと繋いだぬくもりの感覚が残る右手を、ひらひらと目の前で揺らした。