攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
『苦労してガザンに見初められたんだから、邪魔しないで』

 そんなふうに、言われているみたい……。

 私は幼馴染と目線で言葉を交わし合い、彼らから距離を取った。
 ここに居続けても、余計な怨みを買うだけだと悟ったからだ。

 そうして、やってきたのは――。
 人気のない、バルコニーだった。

 ――神殿の人たちにとって、ルドルフとガザンは邪魔でしかない。
 2人きりになれば、必ず現れるはずだ。

 一生、彼らがここへ姿を見せなければいいのに。
 私は叶わない願いを抱きながら、フェドクスと静かに待ち続ける。

 ――そうして、ついにその時がやってきた。

「あーら? 誰かと思えば! 神殿を這いずり回る、ドブネズミじゃない!」

 姿を見せて早々、勝ち誇った笑みを浮かべたマリラさんは、私を小馬鹿にした。

「見違えたわ。磨けば光るダイアモンドの原石って、あなたみたいな人のことを言うのかしら?」

 ――3年経っても憎しみが消えずに嫌味を言ってくるなんて、ものすごい執念だ。

 彼女はどうして、これほどまでに己を嫌悪するのだろう?
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