攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 それを理解できぬまま、私は何事もなかったかのように頭を下げた。

「ご無沙汰しております」
「ああ。でも……。あなたはどんなに磨いても、石ころにしかなれずに捨てられたんだったわね。あはは!」

 彼女は私が頭を下げる姿を目にして、満足したらしい。
 声高らかに、嘲笑を続けた。

 ――この場には、フェドクスがいる。

 できれば、こんなふうに私を笑い者にしないでほしいんだけどな……。

 沸点の低い幼馴染は、その気になればいつだって彼女に襲いかかれる。
 現段階でぐっと堪えているのは、私がそれを望まないからだ。

「魔王を倒した褒美に、救済の聖女と呼ばれるようになったんですって?」
「陛下の、ご厚意です」
「あなたって、本当に皮の面が厚いのね! 神殿の恥だわ。同じ聖女として、あなたを同胞だとすらも思いたくもない……」
「だから、神官に頼んで私を亡き者にしようと目論んだのですか」
「私は聖なる心を持つ、清らかな女性よ? そんな恐ろしい計画を、企てるはずがないでしょう?」

 こちらが顔を上げて探るような視線を向けても、彼女は自信満々に声を発し続ける。
 マリラさんは、どうしてこんなにも傲慢に振る舞えるのだろう?
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