攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 できれば、その役目はお互いに信頼し合っているガザンに任せたいけれど――あの人は私を嫌っている。

 そんな提案をしたところで、「ふざけてんのか?」と小馬鹿にしたような態度で吐き捨てられるだけだ。

 私が頼れる唯一の相手は、1人しかいない。
 それは――私の護衛騎士、フェドクスだった。

 心配性な幼馴染のことだ。
 彼ならきっと、そう遠くない未来にこの部屋へ姿を見せるだろう。

 他の2人と背中を預け合えるようになったとは言え、完全に心を許したわけではない。
 フェドクスは魔王を討伐したあと、彼らと一緒に三英雄と呼ばれるようになる。
 この件をきっかけに仲良くなってくれたら、苦労せずに済むのだが……。

「そんなにうまくは、いかないかぁ……」

 私は誰もいないのをいいことに、寝台の上でゴロゴロと寝転がってつかの間の休息を堪能した。

幼馴染と2人きり(1)
「何をしている!」

 それから、どれほど時間が経過しただろう。
 勢いよく外側から扉が開かれたかと思えば、腹の底から吐き出された怒声が響き渡る。
 私は右目を動かし、こちらを睨みつける男性の姿を捉えた。
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