攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「それより……。いつまで、フェドクスと引っついてるの? いい加減、離れたらどう? 彼は、あなたの奴隷じゃない。聖騎士団長として私を守護する存在なのに……」
「フェドクスには、己がどんな未来を歩むか決める権利があります」
「あなたの手足となってこき使われることを、望んでいるとでも?」

 フェドクスはこくりと無言で頷き、彼女の言葉が正しいと行動で示す。

 彼女はどれほど彼を欲しても手に入らないのが、よほど悔しかったのだろう。

 声を荒らげ、「そんなはずはない」と主張する。

「ありえないわ! 聖騎士団長は、司祭と聖女の次に偉いのよ? そんな地位を捨ててまで、こんな石ころを守る価値はないわ!」

 ――こんな騒ぎを起こしたところで、フェドクスが彼女を好きになることはないのに……。

 私を抱き上げる幼馴染の腕に、力が籠もる。
 そろそろ、我慢の限界が訪れたようだ。
 こちらも、反撃に出るべきだろう。

「あなたは、フェドクスに守られる価値があると仰るのですね」
「もちろん! だって私は、ピンクダイアモンドだもの!」

 軽いジャブを打ったところ、彼女は嬉々として語り出す。
 己がどれほど他者から賞賛されるべき人間なのかどうかを――。
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