攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 通常では考えられないような出来事が起きているのは、やはりここが乙女ゲームの世界だからと考えるべきだ。

「夜会が終わったら、神殿に戻らなきゃいけないと言っていたけど――」

 主人公の都合がいいように、物事が進んでいく。

 今はまだ、ヒロインに出会っていないからいい。
 でも、いつかは必ず――。
 攻略対象の隣で笑い合える唯一の女性は、私たちではなくお姉様になるだろう。

「安心して。君たちを、彼らに渡すつもりはないから。しばらく、3人で暮らそう」

 忘れてはいけない。
 この世界で一番の幸福を得るべきは、ヒロインだ。
 つかの間の幸せは、マリラさんに邪魔をされなくたっていつかは必ず終わりを告げる。

「私たちと、殿下……ですか……?」
「他に誰がいるんだい?」
「ガザンは……」
「あいつはしばらく、領地に戻る予定だよ。弟と話し合うべきことが、山程あるんだって」

 私はそれをよく理解しているから、攻略対象の前に彼女が姿を見せた時は、身を引くつもりでいた。
 だけど……。
 マリラさんはきっと、主人公が姿を表したら、自分と同じように排除しようと目論むだろう。
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