攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――このまま私が何もしなければ、ルドルフは眼球を傷つけられたことによって未来視を失う。

 そして、ガザンとフェドクスも……。
 左手足に欠損を抱えた状態で魔王と対峙し、どうにか勝利を収めるのだ。
 討伐隊のお荷物呼ばわりされていた聖女の命と、引き換えに。

 攻略対象たちは失って始めて、エミリエのありがたみを実感する。
 聖女に恋心を抱いていたと気づいた時には、想い人はすでに土の下で埋まっていた。

 心と身体――双方に傷を負ったイケメンたちに寄り添い、聖女の姉であるヒロイン恋愛関係に発展する。
 それが、「自己犠牲の精霊ファンタジア」通称、「じこファン」だった。

「おい! ボサッとしてねぇで、なんとかしろよ!」

 焦ったガザンから怒声を浴びせられ、我に返る。

 状況整理なんて、している場合じゃなかった。

 私は何度か深呼吸をして、気持ちを切り替える。
 冷静さを失ってしまったら、救えるものも救えなくなってしまうからだ。
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