攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 表立って私を庇えぬフェドクスの代わりに、こちらの味方になるなど思いもしない。

「おいおい。傷を肩代わりされて、絆されちまったのか? あんたらしくねぇぞ?」
「僕、は……」

 ガザンも自分1人だけがこちらに敵意を向けている状態は、居心地が悪いのだろう。
 いつも通りの反応をしろと言わんばかりに殿下の肩を組んで促すが、ルドルフは青白い顔で俯くだけ。
 その光景は、リーダー格の人物が仲間にいじめを強要する姿と酷似している。

 ――2人の力関係って、ガザンのほうが上なんだ……?

 こちらが意外に感じていると、ルドルフは強引に親友の手から抜け出して私たちに提案する。

「そろそろ、出発しよう!」
「んだよ。釣れねぇな……」

 ガザンがふてくされた様子で仕方なく同意してくれたおかげで、魔王討伐の旅が再会したのだけど――。

「っ!」

 ――左側の視界が真っ黒に覆われているのは、自分でも想像していた以上にきついものがある。

 きちんと全体を見渡せたら絶対に避けられたであろう魔物からの攻撃を、感じ取れない。
 これは明らかに、視力の消失が原因だった。
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