攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――パァン! パァン!

 ガザンは親友の魔法が完成する時間を稼ぐため、ものすごい音を立てながらライフル銃を乱発して敵を倒す。
 だが、どれほどヘッドショットを連発してもきりがない。
 彼も、銃撃だけでは倒しきれない自覚があるのだろう。
 粗方数を減らしたあと、私の後ろまで後退する。

「あとは頼んだぜ」
「任せて」

 ルドルフは詠唱を終え、真正面の大群に向かって魔法を放つ。
 どこからともなく巻き起こった台風によって、魔獣の群れはあっという間に吹き飛ばされてしまった。

 ――キンッ!

 殿下の活躍に見惚れていると、後方で剣がぶつかり合う音が聞こえてきた。
 私は慌てて振り返り、己の命を狙う魔物から、護衛騎士が守り抜く姿を目撃する。

「おいで、エミリエ。こっちだよ」

 幼馴染の活躍をしかと目に焼きつけようと決心した直後、左側からルドルフに手を引かれた。
 声は聞こえるが、暗闇に視界が閉ざされているせいでぞんな顔をしているかまではよく見えない。
 なぜか手首ではなく指先を絡め、離れないように強く握り締めてくるのが印象的だった。
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