攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「あなた、絶対に許さなくってよ……!」

 ――うわぁ……。
 すごい格好……。

 ボディースーツのような、女性らしい身体のラインが強調された衣装を完璧に着こなしていると、同性でも感心するくらいに堂々と振る舞う魔物に目を奪われる暇はない。

 私は仲間たちの目を盗んで、2つほどやるべき仕事があったからだ。

 私は近くにいた幼馴染にだけ聞こえるように、声を顰めて命じる。

「助けてあげて」
「わかった」

 フェドクスは私の護衛騎士だから、命令をすれば黙って言うことを聞いてくれる。
 これも長年培ってきた信頼の現れだ。
 それに感謝をしつつ、剣を抜いてサキュバスに向かって走り出した幼馴染の背中を見送る。

「エミリエ。僕のそばから、離れないで」

 ルドルフは魔物を討伐するために必要な魔法の準備をしながら、幼馴染の変わりに私を守ろうとしてくれている。

 もう二度と、あんな悲劇が起きないように――そんな決意の表れが全身から感じられる様子を見るに、もしかすると、事前にフェドクスと打ち合わせを済ませていたのかもしれない。
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