攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「貧相な身体のお嬢様が、一体なんの用ですの? ここはあなたのようなお子様が、姿を見せる場所ではなくてよ?」

 サキュバスは相当、肉体美に自信があるらしい。
 豊満な胸元を強調するかのように、ふんぞり返った。

 ――私は完全に、下に見られている。
 彼女からしてみれば、その辺を必死に歩いている蟻でしかないのは明らかだった。

「おい! 何やってんだ!」

 ガザンの怒声が聞こえるが、歩みを止めるつもりはない。

 この時ほど、紅一点のくせに絶世の美女と呼ばれるほどの容姿持っているわけではなく、自身の平々凡々な姿で生まれ直したことを、神に感謝したことはない。

 私が完璧なプロポーションを持っていれば、嫉妬心から恨みを買い、あっという間に襲いかかられていただろうが――。

『小娘なんて、いつでも殺せますもの。恐れるに足りませんわ』

 こんなふうに相手が慢心している隙があれば、いくらでもやりようはあると言うものだ。
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