攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
私の左腕が、だらりと力なく脱力する。
傷の肩代わりに成功した、瞬間だった。
「あ……あ……」
その姿を目にした殿下は「恐れていた事態が再び起きてしまった」と絶望し、フェドクスは歯を食いしばって我に返る。
そうして、全身から湧き上がる怒りをサキュバスにぶつけ始めた。
「く……っ!」
そして、左腕が治ったガザンと言えば――。
「馬鹿じゃ、ねぇの……!」
なぜか瞳から多量の涙を流し、私に向かって憎まれ口を叩いていた。
「左目の次は、左腕を肩代わりしたのかよ。あんたはどうしてこんなに、お人好しなんだ……?」
「聖女ですから」
「自分の身体を傷つけるのが使命だとか、勝手に決めつけて偉ぶってんじゃねぇよ……! てめぇのやってることは、ただの、自己満足だ……!」
まさかあれほど吠えていたガザンが、子どものような泣き顔を見せるなど思いもしない。
どさくさに紛れて私の行いを否定するあたり、考え方はまったく変わっていないようだが――。
彼に好かれようが、嫌われようが、どちらでも構わないと思っている自分にとっては、大した問題ではなかった。
傷の肩代わりに成功した、瞬間だった。
「あ……あ……」
その姿を目にした殿下は「恐れていた事態が再び起きてしまった」と絶望し、フェドクスは歯を食いしばって我に返る。
そうして、全身から湧き上がる怒りをサキュバスにぶつけ始めた。
「く……っ!」
そして、左腕が治ったガザンと言えば――。
「馬鹿じゃ、ねぇの……!」
なぜか瞳から多量の涙を流し、私に向かって憎まれ口を叩いていた。
「左目の次は、左腕を肩代わりしたのかよ。あんたはどうしてこんなに、お人好しなんだ……?」
「聖女ですから」
「自分の身体を傷つけるのが使命だとか、勝手に決めつけて偉ぶってんじゃねぇよ……! てめぇのやってることは、ただの、自己満足だ……!」
まさかあれほど吠えていたガザンが、子どものような泣き顔を見せるなど思いもしない。
どさくさに紛れて私の行いを否定するあたり、考え方はまったく変わっていないようだが――。
彼に好かれようが、嫌われようが、どちらでも構わないと思っている自分にとっては、大した問題ではなかった。