攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 私に対する苛立ちを解消するかのように。
 利き腕で武器を手にしたガザンの銃口から、弾丸が放たれた。
 それは見事、サキュバスの額に命中する。

「ギャアアア!」

 魔石が砕け散り、耳障りな断末魔をあげて魔物が倒れ伏す。
 その後、止めとばかりに準備をしていたルドルフの魔法が炸裂する。

「お、おの、れ……。ま、おう、様……っ!」

 ガザンが1人で戦いを挑んだ際に苦戦していたのが嘘のように、戦闘は終わりを告げた。

「エミリエ……!」

 攻略対象たちは、示し合わせたかのように手にした武器を投げ捨て、私の元へ駆け出してきた。

 ――随分と、大袈裟すぎる反応だ。

 私は左腕を失った以外、傷ついた箇所なんてどこにもないのに……。

「どうして、君はいつも……! 無茶ばかりするんだ!?」
「もう、見ていられない。今すぐ、神殿に帰ろう」

 ルドルフは逆ギレのような形でこちらに迫り、フェドクスは私を抱きしめて旅の中止を促す。
 殿下の反応はともかく、幼馴染の意見には残念ながら同意はできなかった。
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