攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「自分で、言うことじゃねぇだろうが……。オレは、相当なクズだ」
「そうですね」
「自分の腕を犠牲にしてまで、助ける価値なんざねぇだろうが……」

 ルドルフは、左目を魔獣に傷つけられた。
 不慮の事故だったから、仕方ない。
 そうして気持ちの整理をつけられるがガザンの場合は違う。
 彼は、自らの意思で左腕を駄目にしたのだ。
 自業自得だったのだから、あのまま放っておいてよかったのにとでも言いたげだった。

「案外、自己肯定感が低いのですね」
「悪いかよ」
「いえ。私も、フェドクスによく言われます。もっと、自分を大事にしなさいと……」

 その姿は、まるで幼い頃の自分を見ているようだ。
 たくさんの人から、口にするのも憚られるような罵倒を浴びせられた。
 それは育ての親だけではなく、肉親からも同様だった。

 一時期は、「このまま死んだほうがマシではないか」と考えて、どうにかなりそうな時もあったくらいだ。
 こうした思考に苛まれると、「自分が生きていてもいい理由」を見つけるのは他人の力が必要になる。
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