転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
聖教会の奥深く、枢機卿位専用の聖堂裏にある小部屋。
厚く閉ざされた石壁の内は、蝋燭の灯りだけが揺れていた。
大理石の円卓を囲むのは、このアリミヌエ聖教会上層部の中でも特に強大な権限を持つ者たち――枢機卿である。
「……あの少女」
感慨深そうに言葉を発したのは、枢機卿バルデュス。
「その中にある魂は別物だ。明らかに、我らの知る『リオ』とは異なる。つまり、我々の神託の儀は成功したのだ」
「奇跡は顕れました。光の粒子と祈りの歌、それを目撃した民は、彼女こそ正しき聖女だと信じています。そして私もまた。――我々は、彼女を廃すべきでは無いと思われます」
そう応じたのは、比較的若い枢機卿ルメル。
彼は民意を重んじる傾向にあり、現場の神官からも一定の信頼を得ていた。
「神力の顕現は確かに奇跡だが、だからといって本物とは限らぬ。事実、その神秘の効果が何なのか、我々にも判らぬではないか」
苛立ちを滲ませたのは、権威主義の古株、枢機卿ハーラン。
彼は教会の既存の序列を重んじ、人気を集める聖女の台頭が、自身の地位を脅かすことを警戒していた。
「まあ、最大の問題は『我々が制御できるか否か』ですな」
静かにそう言ったのは、教会の事務全般を掌握する実務派の枢機卿カティス。
彼の言葉には、常に冷徹な現実と計算があった。
「聖女が我らの掌に収まる存在ならば、奇跡などどうとでも解釈して利用できる。しかし、そうでないならば――危険だ」
「まさにその通り。今の彼女は、独自の意思で業務を動かし、民意を味方につけ始めている。まるで……王に並ぶ象徴としての影響力を帯び始めている」
ハーランが呻くように言い、静まり返った室内に重苦しい空気が落ちる。
「それに、神託の儀の『真実』に、彼女自身が辿り着いた場合はどうでしょうか……?」
ルメルのその一言に、全員の背筋が緊張で固まった。
厚く閉ざされた石壁の内は、蝋燭の灯りだけが揺れていた。
大理石の円卓を囲むのは、このアリミヌエ聖教会上層部の中でも特に強大な権限を持つ者たち――枢機卿である。
「……あの少女」
感慨深そうに言葉を発したのは、枢機卿バルデュス。
「その中にある魂は別物だ。明らかに、我らの知る『リオ』とは異なる。つまり、我々の神託の儀は成功したのだ」
「奇跡は顕れました。光の粒子と祈りの歌、それを目撃した民は、彼女こそ正しき聖女だと信じています。そして私もまた。――我々は、彼女を廃すべきでは無いと思われます」
そう応じたのは、比較的若い枢機卿ルメル。
彼は民意を重んじる傾向にあり、現場の神官からも一定の信頼を得ていた。
「神力の顕現は確かに奇跡だが、だからといって本物とは限らぬ。事実、その神秘の効果が何なのか、我々にも判らぬではないか」
苛立ちを滲ませたのは、権威主義の古株、枢機卿ハーラン。
彼は教会の既存の序列を重んじ、人気を集める聖女の台頭が、自身の地位を脅かすことを警戒していた。
「まあ、最大の問題は『我々が制御できるか否か』ですな」
静かにそう言ったのは、教会の事務全般を掌握する実務派の枢機卿カティス。
彼の言葉には、常に冷徹な現実と計算があった。
「聖女が我らの掌に収まる存在ならば、奇跡などどうとでも解釈して利用できる。しかし、そうでないならば――危険だ」
「まさにその通り。今の彼女は、独自の意思で業務を動かし、民意を味方につけ始めている。まるで……王に並ぶ象徴としての影響力を帯び始めている」
ハーランが呻くように言い、静まり返った室内に重苦しい空気が落ちる。
「それに、神託の儀の『真実』に、彼女自身が辿り着いた場合はどうでしょうか……?」
ルメルのその一言に、全員の背筋が緊張で固まった。