転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
22 聖女の籠、騎士の檻
理央が幽閉されている塔の朝は、あいかわらず静かだった。
鳥の声すら届かず、ここだけ時間の流れが止まったように感じられる。
だが、その静寂を突き破るような声が、階下まで響き渡った。
「もう我慢の限界! 動けない、書き物ばっかり! 私は窓際族のお飾りじゃないのよ、外に出たいいいいい!」
重い鉄扉が勢いよく開けられ、理央が顔を覗かせる。
髪は少し乱れ、その瞳には切実さが宿っていた。
「おはようございます、聖女様」
階段下では、アスランが籠を抱えて立っていた。
朝露を含んだ野草と、焼きたてのパンの香りがふわりと漂う。
中にはいつもの朝食と、今日は気を利かせたのか、甘い菓子パンが多めに並んでいる。
「おはよう。でも今朝はそれどころじゃないわ」
理央は拳を握りしめ、強い意志を込めて宣言する。
「私、決めたの。今日こそ、この塔から脱出するわ。処刑のデッドラインまでもう一ヶ月切ってるのに、こんな窓のない独坊で呑気に引きこもってる場合じゃないもの!」
その言葉にアスランは一瞬きょとんとしたが、やがて柔らかく微笑んだ。
「では、僕が荷物持ちになりましょうか」
「え、いいの?」
「もちろん。脱出先が『書庫』でなければ、ですけど」
「……それは逃亡じゃなくて、ただの配置転換でしょ!」
軽口の応酬に、理央の頬も少しゆるむ。
だが、その空気を断ち切るように、階段を上がる重い足音が響いた。
鳥の声すら届かず、ここだけ時間の流れが止まったように感じられる。
だが、その静寂を突き破るような声が、階下まで響き渡った。
「もう我慢の限界! 動けない、書き物ばっかり! 私は窓際族のお飾りじゃないのよ、外に出たいいいいい!」
重い鉄扉が勢いよく開けられ、理央が顔を覗かせる。
髪は少し乱れ、その瞳には切実さが宿っていた。
「おはようございます、聖女様」
階段下では、アスランが籠を抱えて立っていた。
朝露を含んだ野草と、焼きたてのパンの香りがふわりと漂う。
中にはいつもの朝食と、今日は気を利かせたのか、甘い菓子パンが多めに並んでいる。
「おはよう。でも今朝はそれどころじゃないわ」
理央は拳を握りしめ、強い意志を込めて宣言する。
「私、決めたの。今日こそ、この塔から脱出するわ。処刑のデッドラインまでもう一ヶ月切ってるのに、こんな窓のない独坊で呑気に引きこもってる場合じゃないもの!」
その言葉にアスランは一瞬きょとんとしたが、やがて柔らかく微笑んだ。
「では、僕が荷物持ちになりましょうか」
「え、いいの?」
「もちろん。脱出先が『書庫』でなければ、ですけど」
「……それは逃亡じゃなくて、ただの配置転換でしょ!」
軽口の応酬に、理央の頬も少しゆるむ。
だが、その空気を断ち切るように、階段を上がる重い足音が響いた。