転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!

 本日は晴天。
 フォリフォンヌ王国首都リシャール。

 白亜の王宮とちょうど対を成す位置に聖教会は建てられている。
 小高い上に建つ聖教会は、まるで王宮と張り合うが如く、華美で豪奢だ。

 聖女の住まう部屋は禁則地に位置する塔の二階に在り、僅かな木々の隙間から、中庭の様子が遠く伺える。
 まるで高層ビル群の中にある小さな公園に、ランチタイム前後になると、様々な組み合わせの人々が通り過ぎる様子に、どことなく似ている。

 皆、どうせ他人には大して意識を払っていない。

 懺悔へ向かうもの。
 謁見及び祈祷の予約。
 足早に横切る出入りの商人。
 中庭の花を愛でる恋人たち。

 歴代の聖女とされてきた者たちが、例外をのぞき、いずれ処刑される事が確定しているとはいえ、その詳細な情報は、過去一度も公となったことは無かった。

 奇跡の御業をおこす聖女は、その命をすり減らし奇跡を行使する。
 それ故、短命なのだ、とされていた。

 因みに、理央が過去の聖女に関する資料を漁った際に、本当に奇跡を行使した存在は、この百年ではたったひとりしかいなかった。
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