転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!

 セイラがお茶にミルクと砂糖をたっぷりと足して、給仕してくれている。
 どうやら理央が糖分を常人よりも過剰に摂取したがっている点を、即座に見抜いてくれたようだった。

 目の前の侍女は、信頼するに足るかの判断はまだ付かないが、今のところ理央に対して、友好的な態度をとってくれている為、話しやすい。
 そこそこな家柄の貴族の子女で、花嫁修業の一環として聖教会に勤めに来ているとのことだった。

 侍女頭にあたるエイラは王政側から選任されているようなのだが、自分に与えられている役割を淡々とこなしているようにみえ、必要最低限の会話にとどまっていた。

 カナンに関してはまったくわからない。
 戦災孤児で身寄りがなく、聖教会直営で運営されている養護院から来ているそうだ。

 セイラの分けてくれたマフィンは、形がやや崩れていたものの、素朴な味わいで美味しかった。
 タンパク質の摂取とともに、手っ取り早く身体を太らせるためにも、糖分は必須である。

 ささやかなお茶会の後片付けの為セイラが部屋をあとにすると、理央はゆったりともたれ掛かっていた脇息を倒す勢いで立ち上がる。

 食べた後は、身体を動かす。
 その場で足踏み。
 両腕をエル字型に掲げ肩甲骨もぐるぐる回す。
 こんな事ならちゃんと前世でも、健康について気をつけていれば良かった。

 そうしたら、原田理央の命が、リオ・アリミヌエとして再構築される事なんて無かったのだろうから。
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