転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
5 意志あるお人形
「聖女殿。お取り込み中かもしれないが、急ぎ通達がある」
不躾に扉が開かれ、聖女の間に入室してきたのは、黒銀の軍装を纏った男だった。
長めの銀色の髪が左側でゆるく纏められている。
背は高く、威圧感のある風貌に鋭い眼は氷蒼。
だがそれ以上に、彼の言葉遣いと態度は、無遠慮かつ苛立ちを隠さぬものであった。
――見覚えがある。
理央が目覚めた初日、部屋の入り口から氷点下の視線を投げつけてきた、あの『関わってはいけないヤバい軍人』だ。
「えっと……初日にお見かけした、監視の方でしたっけ……?」
「王国近衛騎士団第二隊の長を務めているジーク・オベールレヒトだ。これまでは教会の見回りだったが、今日から正式に聖女殿の『専属』護衛兼監視役として、常駐することになった」
今日からは、本格的に理央の部屋へ張り付くということらしい。
理央はその場で言葉を失いかけたが、すぐに口角を上げ笑みを形作る。
ジークの後ろからは、先日、理央に残酷な言葉を意図も易く投げかけた枢機卿のカティスが姿を現した。
「専属の監視……」
理央が呟くと、でっぷりとした腹を抱えたカティスが、相変わらず読めない表情で口を開く。
「陛下の恩情によるものですよ」
嫌味なのか、本心なのか。
神官の真意は依然として不明だ。
「来る日まで、健やかにお過ごしいただきたく」
「ありがとう、ございます?」
「本日は、夕刻に信託の儀も控えておりますゆえ、お部屋から出ぬよう願います」
不躾に扉が開かれ、聖女の間に入室してきたのは、黒銀の軍装を纏った男だった。
長めの銀色の髪が左側でゆるく纏められている。
背は高く、威圧感のある風貌に鋭い眼は氷蒼。
だがそれ以上に、彼の言葉遣いと態度は、無遠慮かつ苛立ちを隠さぬものであった。
――見覚えがある。
理央が目覚めた初日、部屋の入り口から氷点下の視線を投げつけてきた、あの『関わってはいけないヤバい軍人』だ。
「えっと……初日にお見かけした、監視の方でしたっけ……?」
「王国近衛騎士団第二隊の長を務めているジーク・オベールレヒトだ。これまでは教会の見回りだったが、今日から正式に聖女殿の『専属』護衛兼監視役として、常駐することになった」
今日からは、本格的に理央の部屋へ張り付くということらしい。
理央はその場で言葉を失いかけたが、すぐに口角を上げ笑みを形作る。
ジークの後ろからは、先日、理央に残酷な言葉を意図も易く投げかけた枢機卿のカティスが姿を現した。
「専属の監視……」
理央が呟くと、でっぷりとした腹を抱えたカティスが、相変わらず読めない表情で口を開く。
「陛下の恩情によるものですよ」
嫌味なのか、本心なのか。
神官の真意は依然として不明だ。
「来る日まで、健やかにお過ごしいただきたく」
「ありがとう、ございます?」
「本日は、夕刻に信託の儀も控えておりますゆえ、お部屋から出ぬよう願います」