転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!

 
 ジークは王城への報告に上がった後、騎士団本部に、彼の本来の業務の指示出しの為に顔を覗かせ、聖教会へと戻ってきたのは昼を過ぎていた。
 背筋を伸ばしたその立ち姿は、誰の目にも隙がなく、彼が王国最強の近衛騎士の一人であることを強く印象づけている。
 ただし、彼の眉間には朝から深い皺が刻まれていた。
 聖女が蟄居している聖女の間にも、この所入り浸っていた祈祷受付にも監視すべき対象の姿が見当たらない。

「おい、聖女殿は今どこだ?」

 僧兵のひとりに尋ねると、所在なげにもぞりと横の建物へと視線をやる。

「……大聖堂脇の書庫にこもって、文書の束と睨めっこしてましたが。朝からずっと」

「はあ?」

「一応部屋付きの侍女殿が、一緒におられます」

 呆れたように溜息を一つ落とし、ジークは即座に踵を返した。
 数日前に護衛兼監視を任されてからというもの、彼女の言動はすべてにおいておかしいの一言に尽きた。
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