転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!


「ちょっと目を離すとこれか。頭が痛くなるな」

回復薬の効果で見事にベッドから解放された理央は、立ち入り禁止となっていた『昨日爆発した倉庫』に堂々と乗り込み、焼け残った書類をかき集めていた。

「どこにいたの? 私の護衛なんでしょう? 頭が痛くなるのはこれからよ。教会が信仰を名目に民から吸い上げたお金を何に使ってきたか……調べれば調べるほどに、終わってるわ」

「……本気で、教会の改革でも始めるつもりか?」

「もちろん。やらなきゃ死ぬもの私。殺されちゃうのよ?」

あっさりと死を口にした彼女に、ジークは一瞬だけ言葉を失った。
彼女が生死に関する言葉を自ら出したのは初めてだった。
けれど、その声音には恐怖も悲嘆もなく、ただ静かに燃える覚悟だけがあった。

「ちょうどいいから手伝ってくれる? ……あ、文字読める?」

ジークの目が、僅かに見開かれた。
エリートである王国近衛騎士団の隊長に向かって「文字が読めるか」と問うなど、不敬を通り越してただの煽りである。

「当然だ。何を馬鹿なことを。聖女殿にそのような心配をされるとは、心外だな」

「あなたが私の仕事を退屈そうに眺めているものだから。暇なら、この帳簿を部屋まで運んで? セイラとカナンの三人じゃ重くて運べないからここで仕事していたんだけど、できれば自室でやりたいのよね」
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