転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
教会内の空気が、また、少し変わった。
聖女が自ら主導して改革を推し進めるたび、教会職員の間ではさざ波のような反応が生まれる。
驚き、困惑、そして戸惑い。
かつて聖女様と呼ばれるだけで済んでいた存在が、実務をこなし、指示を出し、誰より早く礼拝堂に現れ、遅くまで過去の記録と向き合っているのだ。
偽善でも気まぐれでもない。
彼女の行動には、一貫した意志があった。
「……まったく。どうして僕がこんなことを」
アスランは礼拝堂の隅で、理央の作った目標管理表を前に唸っていた。
祈祷受付の整理、物品管理の見直し、業務内容の一覧作成……地味で退屈な作業に思えて、実は神官たちの心を静かに揺さぶっていた。
「僕たちも役に立っていい……そんな風に思わせる人だ」
アスランはふと呟く。
目の前で、理央が侍女たちに穏やかに声をかけていた。
彼女の作る笑顔はまだどこか不器用で、威圧感もあるのにも関わらず、人が集まる。
不思議な人だ、と彼は思う。
今や親聖女派は下級神官や侍女のみならず、中級神官の一部にも拡大を見せている。
しかし、別の場所では、異なる空気が流れていた。