転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
そんな教会のドロドロとした黒い思惑など露知らず。
味方を増やしながら順調に改革を進めていた理央は、ついに大きな壁にぶつかっていた。
それは、記録上の数字やシステムの効率化だけでは解決できない、神官や侍女達の心の奥底に根付いた問題だった。
(モチベーションの低下……いわゆる『ぶら下がり社員』ばかりの惨状ね)
理央は集められた職員たちを見渡し、内心で深いため息をついた。
元来、彼らの士気は低く、仕事への無関心さが蔓延している。
不正が横行し、努力が報われない環境で長年働いてきた結果、「どうせ頑張っても無駄である」という諦めムードが、教会の空気全体を重くしているのだ。
どれだけ素晴らしい効率的システムを導入しても、それを動かす人間の意識が変わらなければ、真の改革は成し得ない。
なぜならば、組織の変革には『人の心』が最も重要だからだ。
「皆さんの仕事ぶりを正当に評価したいと思います。そしてその努力が報われるようにします」
理央は、毅然とした態度で宣言した。
(さあ、現代企業の人事評価制度、通称MBOの導入よ!)