転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!

また、情報共有を密にするために、定期的な週次会議の場を設けた。
各部署の代表者が集まり、その週の業務の進捗状況、成功事例、そして直面している課題を共有させる。

「対応部署でうまくいった成功体験は、他の部署でも応用できる可能性があります。逆に、失敗の原因を共有することで、同じミスを繰り返さないための教訓になります。全員で知恵を出し合い、より良い環境にしていきましょう」

最初はぎこちなかった会議も、理央が率先して発言し、活発な議論を促すことで、次第に風通しの良い場へと変化していった。
部署を越えた連携も強化され、押し付け合っていた業務も、協力して解決する意識が芽生え始める。

さらに、『サンキューカード』の仕組みも導入した。
業務を共にする者同士が、日頃の感謝や助け合いの気持ちをメッセージカードに書いて渡し合う、というものだ。

若手の神官の一人が、理央の提出した業務改善案を読み「……この提案、悪くありませんな」と独りごちる。
彼は古い慣習にうんざりしつつも、口をつぐんできた一人だった。

些細なことでも感謝の気持ちが可視化されることで、職員間のコミュニケーションが劇的に活性化する。
どうやらこのカード導入後に、あちこちでちょっとしたロマンスも生まれたらしい。

(職場恋愛も、まあアリだよね!? この世界娯楽少ないみたいだし)

元々、聖教会は神官の婚姻が認められている。
また、花嫁修業を兼ねた淑女の礼儀作法を学ぶ場として、教会侍女は働き口として人気が高いのだ。

日々の教会運営に対する末端の意欲は目に見えて高まり、これまで惰性で処理されていた業務にも、生気が戻り始めていた。
自分の仕事が正しく評価され、その積み重ねが組織全体を良くしていると実感できるようになったからだ。

人は誰しも、認められたい、役に立ちたいという欲求を持っている。
その思いを汲み取り、一人ひとりの力を引き出すことで、ブラックだった教会という組織の土台は、理央の手によって着実にホワイト化へと向かい改革されつつあった。
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