転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!

「我々は信仰を形で飾るのではなく、行動で示すべきです。……以上、聖女からの定期報告とさせていただきます!」

頭を下げる彼女の姿に、誰かが小さく拍手をした。
それは侍女の一人。
気づけば、下級神官の数人が続く。
そしてまた、数人。
ジークはその様子を礼拝堂の柱の影から無言で見守っていた。

「皆の反応はどうだったか?」

朝礼後、回廊を歩く理央にジークが声をかけた。

「いや、変な聖女を演じろって言ったの、あなたでしょ」

「演じていたのか?」

「プレゼンと演説はしたわね」

理央は肩をすくめて言う。
ジークは、彼女の疲れた足取りを横目に見ながら、淡々と告げる。

「それでも、腹に一物抱えた枢機卿達に比べれば、よほど聖職者らしかったな」

理央の足が一瞬止まる。
ジークは振り返らず、そのまま歩を進めた。

「……褒め言葉として受け取っておく」

ぽつりと呟いて、理央も歩き出す。
ジークの踏み出す一歩は、足のリーチが長くて大きい。
パタパタと小走りになる理央のたてる気配に、ジークは僅かに口角をあげる。
< 68 / 81 >

この作品をシェア

pagetop