転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
「……で、これはどういう意図なんだろ」
聖女の間に、奇妙な荷物が届いていた。
籠いっぱいの果物、上等な布地、香油、小箱に入った手紙。
「『今後も変わらぬ聖女でいてくださいますよう』……って、これ完全に賄賂の気配しませんか? 業者との癒着の匂いがプンプンします」
アスランが肩をすくめて言う。
「もしくは、様子見だな」
ジークが静かに言う。
「裏で見ている連中が、試しているのだろう。密やかに献上された品を、聖女は懐にしまい込むのか、突っぱねるのか」
「……教会法に『贈収賄』や『不正な利益供与』の罰則規定ってあったっけ」
理央は呆れたように呟きつつ、手紙の入った小箱をパタンと閉じた。
(コンプライアンス意識が中世レベル……いや、中世そのものだったわね、ここ)
「全部、厨房に持って行って。果物は皆で食べて。香油は洗濯に混ぜたら香りが良くなるわよ」
「了解しました」
アスランが笑って頷く。
ジークは彼の様子をちらりと見た。
「お前も、最近よく笑うようになったな」
「聖女様が、面白い方なので」
さらりと返され、ジークは小さく息を吐いた。