転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
15 護衛役と監視役の境界
山積みの書類の横には、彼女が提出した業務報告書の束が無残にも突き返されて置かれている。
どれも、目を通した形跡すら見当たらない。
「……ここまで露骨だと、もはや清々しいくらいだわ」
(決裁印も押さずに物理で握り潰すとか、昭和のワンマン社長か! コンプラ意識ゼロのクソブラック……!)
これまで、あらゆる職場で理不尽を経験してきた彼女だが、ここまであからさまな妨害工作は前世でも経験がなかった。
「今日だけで八件。っていうか、ほぼ全部未着。しかも中には、私が直接手渡しした物まであるのよ。わざわざ足を運んで、上級神官たちの目の前で渡したはずなのに『受け取っていない』の一点張り。……腹立つ」
理央は、指を一本ずつ折りながら数え上げた。
彼女の言葉には、怒りよりも呆れが勝っている。
隣の机で資料を整理していたアスランがすっと立ち上がり、「僕、もう一度行ってきます」と書類を抱えるのを、理央は手で制した。
「待って。これは『戦略的撤退』って自分に言い聞かせてるから」
「しかし、あんまりな応対です」
理央は、首を横に振りながらアスランを宥めた。
どれも、目を通した形跡すら見当たらない。
「……ここまで露骨だと、もはや清々しいくらいだわ」
(決裁印も押さずに物理で握り潰すとか、昭和のワンマン社長か! コンプラ意識ゼロのクソブラック……!)
これまで、あらゆる職場で理不尽を経験してきた彼女だが、ここまであからさまな妨害工作は前世でも経験がなかった。
「今日だけで八件。っていうか、ほぼ全部未着。しかも中には、私が直接手渡しした物まであるのよ。わざわざ足を運んで、上級神官たちの目の前で渡したはずなのに『受け取っていない』の一点張り。……腹立つ」
理央は、指を一本ずつ折りながら数え上げた。
彼女の言葉には、怒りよりも呆れが勝っている。
隣の机で資料を整理していたアスランがすっと立ち上がり、「僕、もう一度行ってきます」と書類を抱えるのを、理央は手で制した。
「待って。これは『戦略的撤退』って自分に言い聞かせてるから」
「しかし、あんまりな応対です」
理央は、首を横に振りながらアスランを宥めた。