転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!

 静かな瞳の中に僅かに気まずさと苛立ちを滲ませ、ジークは小さく息を吐いた。

「君は、賢いだろう。ある程度察しも付いているのでは」

「そうね……過去の記録はできる範囲で確認したわ。初代聖女は光と共に世界に顕現し、初代王と共に、この国を造った。創世神話にはよくある王道設定。フォリフォンヌ公国が滅亡して大陸中に戦火が飛び火してフォリフォンヌ王国が誕生し、それから聖教会という信仰宗教が興った。この辺の歴史も普通よね」

「神託の儀について詳細は、不明。それについて調査するのが俺の任務だった。それから、聖女リオ・アリミヌエの護衛と……監視」

「そしたらやっぱり上級神官を落とさないとだめね。お金が絡めばカティスあたりは動きそうだけど」

「カティス枢機卿はムールブルク侯爵派だから難しい」

「それって面倒な人なの?」

「王太子妃の生家だ」

「なるほどね……」

(王族の派閥争いと宗教の既得権益のコンボ。社内政治なんて目じゃないレベルの地雷原じゃないの)

 深く思考するように肩肘をたててそこに頬を乗せた理央を見て、ジークは「なんというか、強いな――聖女殿は」と言葉を漏らした。
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