禁忌の花 〜最強になったらイケメン寄ってきた〜
「笑うなよ……」

「笑ってないよ」

「今ちょっと笑っただろ!」

「気のせいだって」

「嘘つくな!絶対笑った!」

「ふふっ」

「やっぱり!」


ルカが頬を膨らませる。

でも、私は知っている。魔法では私の方が順調でも___


「じゃあ、次は体力測定しようか」


ノアがそう言った瞬間。


「よっしゃ!」


ルカが一番に立ち上がった。その顔には、さっきまでの悔しさなんてどこにもない。


……こういうところだけ切り替えが早い。


そして始まった基礎体力の測定では___


「……これは、すごいな」


ノアが珍しく目を丸くした。

足の速さ、跳躍、反射神経、持久力。どれを測っても、ルカは同年代とは思えない数値を叩き出していく。


「やった!どうアイリ、オレすごい?」

「いや、ほんとにすごい……」

「でしょ!?」


さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいに、ルカは得意げに胸を張った。


「魔法はアイリに負けても、身体なら俺の勝ち!」

「まだ勝負なんてしてないけど」

「今した!」

「してないって」

「しーたーの!」


……まあ、本人が嬉しそうだからいいか。


私は笑いながら、もう一度自分の手を見る。

魔法なら、私。身体能力なら、ルカ。
私たちは同じじゃない。それぞれに得意なものがある。

それなら___


「私も、もっと頑張らなきゃ」

「アイリ?」

「魔力量が多いからって、それだけに頼るのは嫌だから」


私は拳をぎゅっと握った。


「ルカに置いていかれないくらい、私も体力つける」

「え、アイリも?」

「うん」

「じゃあオレが身体の使い方、教えてあげる!」


ルカが嬉しそうに笑う。その笑顔につられて、私も頷いた。


「……うん。一緒に頑張ろう」

「うん!」
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