禁忌の花 〜最強になったらイケメン寄ってきた〜
そんな私たちを見て、お兄ちゃんが小さく笑った。


「二人とも、頑張りすぎないようにね」


そう言って、私の頭に手を乗せる。

ぽん、ぽん。


「アイリは、すぐ無理するところあるからな」

「……子供扱いしてる?」

「してる」

「……」

「だってまだ八歳だろ?」

「もう八歳だよ」

「俺からしたら、まだまだ子供」


そう言って、お兄ちゃんは楽しそうに笑った。


……いつまで経っても子供扱い。少しくらい、頼れる妹になったと思ってほしいのに。


「じゃあ、オレも子供?」


ルカが横から口を挟む。


「ルカはずーっと子供だよ」

「えー、ノア兄ひどい!」

「ふふっ」


三人の笑い声が、森の中に響いていく。木々の隙間から差し込む陽の光が、私たちを優しく照らしていた。


この頃の私はまだ知らなかった。

魔法も、剣も、強さも。努力すれば、いつか手に入れられるものだと思っていた。

___大切な人を守る力も。
ただ、ひたすら強くなれば手に入るものだと、そう信じていた。


あれから私たちは、さらに本格的な訓練をするようになった。

魔力操作だけじゃない。走り込みに、剣術の基礎。魔法を使いながらの戦闘。
暇さえあれば、私とルカは外に出て練習を重ねていた。


「用意」


森の開けた場所。向かい合う私とルカを見ながら、ノアが静かに告げる。


「始め」


ノアの合図と同時に___ルカが地面を蹴った。


「っ!」


速い。真正面から受けたら、私じゃ追いつけない。
だから私は、すぐに身体を低くして、ルカの動きを目で追う。


右……いや、フェイント。左か。

私は身体をひねり、伸ばした手の先から水を放った。


「うわっ!」


ぱしゃっ!

水がルカの顔に当たる。
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