禁忌の花 〜最強になったらイケメン寄ってきた〜
立ち上がって、焚き火のそばに戻る。


「私もそろそろ寝るね。おやすみ」

「……お前」

「ん?」

「本当にここで寝る気か?」

「そうだけど」


シオンが眉間を押さえる。


「……馬鹿なのか」

「何?またそれ?」

「夜の森で、女一人で寝る奴があるか」

「じゃあ、もうどうしろっていうわけ?」

「……ついてこい」

「え?」


シオンはそれだけ言うと、私に背を向けて歩き始めた。


「ちょ、ちょっと待って!」


慌てて追いかける。


「どこ行くの?」

「寝る場所」

「……?」

「俺の住んでるところ」


一瞬、足が止まった。


家に連れて行ってくれるってこと?


……この人について行って大丈夫なのかな。

初対面だし、感じ悪いし、口も悪いし。


でも、さっき怪我を手当してくれた。

それに___


「……シオン」

「何」

「ありがとう」


歩きながらもう一度だけ伝えと、シオンの足がほんの一瞬だけ止まった。


「……別に」


それだけ言って、また歩き出した。


しばらく森の中を歩いていると、少しずつ木々が途切れてきた。


「……わぁ」


目の前に広がったのは、森の中とは思えないほど開けた場所。柔らかな草が一面に広がっていて、風が吹くたびに草花が揺れている。

空もよく見える。夜になれば、きっと星が綺麗なんだろうな。


「こんな場所、森の中にあったんだ……」


思わず足を止める。


「……初めてか?」


前を歩いていたシオンが振り返った。


「うん。なんか……落ち着くね」


シオンは何も言わず、再び歩き始める。


「こっち」

「うん」


そのまま少し進んだ先に___一軒の小さな家があった。

木材で作られた古い家。壁の一部は傷んでいて、屋根もところどころ修理した跡がある。
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