禁忌の花 〜最強になったらイケメン寄ってきた〜
「なんで?」

「え?」

「なんで、シオンさんがあんたを泊めるの?」

「それは……」


なんて答えればいいんだろう。


「……森で一人でいたから」


シオンが代わりに答えた。


「それだけ?」

「あぁ、それだけだ」


フィンは黙って、シオンと私を交互に見て。


「……まぁ、シオンさんが言うなら」


渋々といった様子で、ほんの少しだけ横へ避けた。


「入れば?」


私は、お礼を言いながら家の中へ入った。

思っていたより暖かく、木の香りが広がっていて、簡素だけど綺麗に片付いている。


……あれ?


「すごく綺麗……」


思わず呟くと、フィンが少しだけ胸を張った。


「僕が掃除してるから」

「ええ!そうなんだ!」

「料理も僕」

「え、すごい……!」

「洗濯も」

「何でもできるじゃん!」

「……まぁね」


少し得意げ。さっきまでの警戒した顔が、ほんの少しだけ和らいだ気がする。


「じゃあ、シオンは?」


私が尋ねると___


「シオンさんは何もできないよ」

「おい」

「本当のことでしょ?」


シオンが無言でフィンを見ているのに、フィンは全く怯まない。


……仲良いんだな。

なんだか、ちょっと羨ましい。


「ふふっ」


思わず笑ってしまう。


「……何?」


フィンが不審げに見る。


「いや、二人って仲良しなんだなって」


フィンが少し黙って。

それから、シオンの服の裾をちょこんと掴んだ。


「……シオンさんは、僕の家族だから」


その言葉に、シオンがほんの少しだけ目を伏せた。


「……あぁ」


短い返事。

でも、その声はいつもより柔らかかった。


「そっか」


私も笑う。


「じゃあ、私も二人の邪魔しないようにするね」


フィンが、また私を見る。


「……別に」
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