禁忌の花 〜最強になったらイケメン寄ってきた〜
「そういえば」


ふと思い出して、シオンを見る。


「シオンたちって、どうやってお金を稼いでるの?」


森で暮らしているとはいえ、食料だけで生活できるわけじゃない。

服も必要だし、道具だって必要になる。


「……ギルドだ」

「ギルド?」


聞いたことのない言葉だった。


「依頼を受けて、解決する。報酬をもらう仕事」

「へぇ……」


依頼をこなすことで、お金を稼ぐ場所……そんな仕組みがあるんだ。


「俺は主に魔物討伐」

「……あぁ、だから」


思わず、あの日のことを思い出す。

森で一人、魔物を倒していたシオン。


「あのときも、仕事だったの?」

「まぁな」

「一人で?」

「あぁ」

「……すご」

「……別にすごくねぇよ」


思わず笑う私に、シオンは少しだけ眉を寄せた。


「お前、最近よく笑うな」

「そう?」

「最初にあった頃より」

「……そうなのかな」


自分ではよく分からないけど、確かにここに来てから、少し肩の力を抜けるようになった気がする。


「二人といると、なんか楽しいからかも」


シオンが黙り、フィンもなぜか手を止めている。

……ん?二人ともどうしたんだろう。


「……まぁ、いいんじゃない?」


フィンが小さく呟いた。


「なにが?」

「……別にー」


フィンまでそれ?

首を傾げる私を見て、シオンは小さく息を吐いた。


「……本当に鈍いな」

「ん?」

「なんでもない」


そう言って、シオンは歩き出す。


「明日、街まで案内する」

「ほんと!?」

「あぁ」

「ありがとう!」


私が笑うと、シオンは一瞬だけ振り返った。


「……その顔……いや、何でもない」


森を抜けた先にあるという、大きな街。


そこで私は、初めて知ることになる。
 
この世界が、自分が思っていたよりずっと広くて___そして、ずっと複雑な場所だということを。
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