図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜
汐留君は間を置かず、三発目を放つ。しかし今度はくまの足を少しかすめただけ。
「へー」
いつの間にか、由梨と堀田さんが隣に立っている。
声を漏らしたのは堀田さんだった。
由梨の手には、糸でつながれたヨーヨーがぶらぶらと揺れている。
「うまいね。二人とも」
堀田さんに言われて、谷口くんを見る。
谷口くんは二発目。
お菓子の下の方に当たり、ぐらりと揺れて落ちていった。
早い。まだ二発目なのに。
「やったー」
と佳奈が声を上げる。
谷口くんは佳奈に向かってピースサインを送った。
良かったね、佳奈。
私も思わず微笑む。
それから再び、汐留くんを見る。
四発目。今度はしっかり当たり、くまが棚の縁を少し超えた。
「すごい集中力だね」
堀田さんが感心したようにつぶやく。
「次当てたら落ちそう」
由梨がぽつりと言った。
私はうなずく。
でも、次が最後‥‥‥。
汐留くんが銃から目を離し、体を起こした。
正面から景品棚を見つめる。
くまの位置を確認しているのかもしれない。
そのとき、声がした。
「にいちゃん、頑張れよ!」
「頑張ってね!」