君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。
歌ってみたを始めてから、少しずつ再生回数が増えていた。
最初は数百回だった。
それが千回になり、数千回になり、気がつけば一万回を超える動画まで出てきた。
「すごいじゃん」
「でも、まだ始めたばっかりだし……」
「それでもすごいって」
「なんか……不思議」
澪はスマートフォンを眺めながら、嬉しそうに笑った。
学校では普通の高校生。
授業中に先生に当てられて慌てたり、友達と放課後にコンビニへ寄ったり、テスト前には「勉強しなきゃ」と言いながら結局友達と話していたりする。
そんな普通の女の子が。