君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。
歌ってみたを始めたばかりの頃には、数百回再生されただけでも嬉しくて仕方がなかった。


それが今では、桁が一つ、二つと増えている。


嬉しい気持ちはもちろんあるけれど、それ以上に「本当に私の歌を聴いてくれてるんだ」ということが不思議だった。


そんな中、会社から新しい話が持ち上がった。


二人でライブに出てみないか。


小海は最初、かなり渋った。




「二人で?」


「はい。今回のコラボが好評でしたから」


「俺、ライブはあまり得意じゃないんだけど」


「知ってます」


「だったら――」


「だから美梨花さんと一緒なら大丈夫かなと」


「……」


小海は眼鏡の奥からスタッフをじっと見た。
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