君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。
再生回数は、まだほとんど変わっていない。
コメントもない。
それなのに。
なぜだろう。
少しだけ嬉しかった。
自分の歌が、初めて自分の部屋の外へ出ていったような気がしたからだ。
その夜、澪はいつもより少しだけ早く眠りについた。
このときの彼女はまだ知らなかった。
その一曲が、やがて数万人、数十万人の目に触れることも。
そして、その歌声をイヤホン越しに聴いた一人の青年が、後に自分の人生を大きく変えることになるのも。