屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
いつもの無表情ではない。冷静な仮面の奥に、ほんのわずかではあるけれど張り詰めたものが見えた。
少し――いや、かなり緊張しているように見えたのだ。
思わず扉を閉める手が止まりそうになる。
だって、この人はどんな場面でも平然としている人だと思っていたから。
社内の誰より偉くて、誰より強くて、誰より動じない人。
そんな社長でも、緊張することがあるのだろうか。
その事実が妙に意外で、余計に気になった。