屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

 その日の夜。なぜかすぐに眠る気になれず、私はリビングのソファに座って本を読んでいた。
 文字を追っているはずなのに内容はほとんど頭に入ってこない。

 ページだけが進み、気づけば時計の針は日付をまたいでいた。
 役員会議で見た社長の表情が、何度も頭に浮かんで眠れないのだ。

 とはいっても、明日……いや、今日も仕事。このままでは今日私がミスをしそうだ。小さく息を吐き、本を閉じた時だった。
 玄関ドアが開く音が静かな家の中に響き、ほどなくして足音が近づいてくる。私はソファから顔を上げた。
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