屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

 森本くんの手が伸びてくる。気づけば手首を掴まれていた。
 ぞくり、と背筋を冷たいものが走る。

 社長にも腕を掴まれた経験はある。
 けれど社長とは全然違った。

 年下の後輩だと思っていた相手が、急に知らない男の人に見えて……すぐに離してほしいと思った。

「お願いです。一度くらいチャンスをくださいよ」

 掴む力が少し強くなる。
 頭が真っ白になって、ぎゅっと目を瞑った。そのとき――。
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