屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
私はしばらく黙ったあと、意を決して口を開いた。
「き、清正……さん」
「そうだ。夏音」
また、私の名前、呼ばれた。
しかも、とても自然に……。まるでずっと昔からそう呼んでいたみたいに。
不思議とこうして名前を呼ばれるのは、どこか懐かしくて、嬉しい。
ただ嬉しいのに困る……。
こんなふうに距離を縮められたら、私だけがどんどん好きになってしまうじゃないか。