屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
土曜日の午後、私は子どもたちと庭で遊んでいた。
最初は鬼ごっこだったのに、途中から縄跳びになり、さらに虫探しへと発展していき、気づけば皆汗だくになって庭中を走り回っていた。けれど、さすがに疲れたのか最後は全員で縁側へ腰を下ろし、私が用意した麦茶を飲みながら休憩していた。
賑やかな笑い声が混じり合う穏やかな午後で、私自身も久しぶりに童心へ返ったような気分になっていたときだった。
「夏音、怖い人がいる」
隣に座っていた小さな女の子が突然そう言って私の服の裾を引っ張ったので、私は首を傾げながらその子の視線の先を追った。
「……え?」
視線の先にいた人物を見つけた瞬間、思わず間の抜けた声が漏れる。
門のところに立っていたのは、見慣れた長身の男性だった。
朝から仕事だったスーツ姿の清正さんだ。