屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
その姿は私にとっては見慣れたものだったけれど、子どもたちからすればどう見ても近所のお兄さんではない。
「清正さん? どうされたんですか?」
「早く終わったから帰ってきた」
そう言ってこちらへ歩いてきた清正さんは、子どもたちの警戒した視線にようやく気づいたらしく、小さく眉を上げた。
「俺も混ざっていいか?」
「えーっと……」
私は思わず苦笑する。
本人には全く悪気がないのだろうけれど、今の格好では難しい気がした。
「とりあえずスーツを着替えてきたほうがいいと思います。スーツだと子どもたちが怖がるからです」
私がそう言うと、清正さんは周囲の子どもたちを見回し、それから自分の格好を見下ろした。
ようやく理由を理解したらしく、少しだけ気まずそうな顔になる。
「……そのようだな。悪かった」
会社では何千人もの社員をまとめる社長なのに、子どもたちには完全に不審者扱いされている。