屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
その週の金曜日。
仕事を終えた私が連れて行かれたのは、高級ホテルの中にでもありそうな洗練されたブティックだった。ガラス張りの店内には見るからに値段が高そうなドレスが並び、足を踏み入れた瞬間から完全に場違いな気分になる。
「き、清正さん、本当にここですか? 絶対もっと庶民向けのお店が……」
「ない」
「即答ですか」
私が情けない声を上げる横で、清正さんはすでに店員さんと話し始めていた。
「これなんかいいじゃないか」
「こちらもお似合いになると思います」
店員さんがさらに手に何着か持ってくる。
「ではそれも見せてくれ」
「えっ、ちょっと待ってください」
気づけば次々とドレスが運ばれてきて、店員さんの腕の中には何着ものハンガーが積み上がっていた。